NFPA2500 レスキューへの意図(3つの規格の統合NFPA1983、1858、1670)

いつ来るか、いつ現れるかと思っていたNFPA2500

やっと現れました。それが以下の写真です。
新型のロープレスキュー資器材のキャプト
キャプトの裏面に記載がありました。


NFPA2500と表記された写真


但し、表記をみるとNFPA2500 だけでなく(1983)の文字もあります。


NFPA2500 が既存の3つの規格である、1670と1858と1983が統合されたものであることが明確に示されていると感じました。



この表記を見るまでは、てっきり次のものからNFPA2500の単独の文字表記のものが現れてくると私は思っていました。

ここで3つの規格について簡単に述べます。




NFPA1670  

レスキューとテクニカルサーチのためのオペレーションとトレーニングの規格





NFPA1858

緊急対応組織のためのライフセーフティロープや機材のメンテナンスやケアの規格



NFPA1983

緊急対応組織のためのライフセーフティロープと機材の規格



これら3つの規格が統合されてNFPA2500 となりました。



「これら3つの基準を統合することにより、NFPA 2500は技術的な捜索および救助作戦のすべての側面をカバーする包括的な枠組みを提供し、関連する人員の訓練、必要な機器の選択、メンテナンス、および使用を含みます。」

言われてみれば、ロープや資器材の規格とそのメンテナンス、そしてオペレーションや訓練は、三位一体そうだなと思います。

少なくとも、ギア類のNFPA1983とメンテナンスのNFPA1858はセットであることは誰も異論はないと思います。

ハードとソフトを融合させて救助活動の一連の動きが洗練されてまた安全性の向上がなされるように統合されたということがイメージ出来ます。

なお、NFPAに関連する項目でよくある誤解について以下の記事で記載しています。

興味のある方はこちらもご確認ください。

NFPA1983GユースとTユースの誤解

ノットの強度のまとめ

レスキュージャパンの宇山です。
今回も引き続きロープレスキューの数値情報です。



前回は、アンカーの破断強度、今回は、結索(ロープ)の破断強度の数値データーをまとめました。

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フィギアエイトオンアバイト77%
ボーライン67%
バタフライノット75%
ダブルフィッシャーマン68%
ウォーターノット64%

 CMCロープレスキューマニュアル 4TH EDITIONより抜粋

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これらの数値は、ノットを作成することによってロープ強度が落ちることを把握するためにあります。

具体的には、ロープの破断強度(MBS)が40kNであっても、ノットを作ることにより30kN程度にに落ちることなどです。

結び間違いなどのヒューマンエラーがあった場合は、0%になるので、安全確認やバックアップなどの安全確認が非常に重要です。

故人ですが、レスキュー3の創設者のジム・セーガストロームさんにヒューマンエラーの危険性について特に熱く指導して頂いたことが、昨日のように思い返されます。


参考
アンカーの強度

アンカー(支点)の強度のまとめ

レスキュージャパンの宇山です。
ロープレスキューで使われるアンカー(支点)の破断強度について気になり調べてみました。

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ガースヒッチ 21.35kN
シングルループ(内角90度) 21.50kN
ラップ2プル1(内角90度) 24.51kN
リダンダントダブルループ(内角90度) 34.59kN
ラップ3プル2(内角90度) 35.14kN
バスケット(内角90度) 37.65kN
ダブルループ(内角90度) 38.77kN
リダンダントラップ2プル1(内角90度) 43.15kN

CMCロープレスキューマニュアル 4TH EDITIONより抜粋
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なお、シングルループは、レスキュー3で言っているシンプルのことです。
リダンダントダブルループは、リンダンダントで作ったシンプルのことです。
バスケットは、スリーバイトのことです。
ダブルループは、シンプルを2回巻いた状態、ラップ2プル2のことです。
またバスケットが意外と強い数値が出ていますが、これはあくまでもウェービングを使った強度のことで、本にもスクリューリンクを使ったイラストで説明されているので、普通のシチュエーション(バスケットでカラビナを使った支点)での強度ではないことをお間違えなく。
シンプルが意外にも弱いので、ビレーの根本のアンカーや展張線の根本のアンカーには少し役不足がいなめないです。
 

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